工務店のホームページに掲載している施工事例写真を見て、「実際の住宅はもっと明るくてきれいなのに、写真では魅力が伝わらない」と感じたことはありませんか?
例えば、次のようなケースです。
- 室内が暗く写り、住宅全体が重たい印象になっている
- 壁や柱が斜めに写り、建物が歪んで見える
- 実際より部屋が狭く感じられる
- 床材や壁紙の色が実物と違って見える
- 同じ室内なのに写真の撮影角度によって明るさや色味が違う
こうした問題は、撮影時のカメラ設定や構図、光の状態などが原因で起こります。
しかし、撮影した写真のすべてを撮り直す必要があるわけではありません。
写真の状態によっては、撮影後の画像補正によって、明るさや色味、建物の傾きなどを改善できる場合があります。
この記事では、住宅建築写真の撮影・編集を行う立場から、施工事例写真の見栄えが悪くなる原因と改善方法、そして過去の施工写真を有効活用する方法について解説します。
施工事例写真の見栄えが悪くなる5つの原因
施工事例写真がきれいに見えない原因は、必ずしもカメラの性能だけではありません。撮影する位置や角度、室内の光の状態など、さまざまな要因が関係しています。
まずは、工務店の施工写真で起こりやすい代表的な問題を見ていきましょう。
① 室内が暗く、住宅本来の明るさが伝わらない


住宅の室内撮影でよく見られるのが、窓の外は明るいのに、室内が暗く写ってしまうケースです。
特に大きな窓があるLDKや、日当たりのよいリビングなどで起こりやすい現象です。
これは、窓の外と室内の明るさに大きな差があり、カメラがその差を一度に記録しきれないことが主な原因です。その結果、実際には明るく開放的なリビングでも、写真では暗く、狭い印象になってしまうことがあります。
改善方法
撮影時には、室内の明るさを確認しながら露出を調整することが基本です。
スマホなら撮影方向はそのままに、画面をタップすると、明るさ調整の太陽マーク等がでますので(機種によって様々)それで調整して下さい。
すでに撮影した写真でも、暗い部分に十分な画像情報が残っていれば、明るさやシャドウを調整することで、より自然な印象に改善できます。
ただし、極端に暗い写真や、窓の外が真っ白になった写真は、補正できる範囲に限界があります。

上記和室の補正。明るく真っすぐにして使える写真に変身
② 壁や柱が傾き、建物が歪んで見える


住宅写真では、壁や柱、建具などの垂直ラインが重要です。
ところが、カメラを上や下に傾けて撮影すると、本来まっすぐな壁や柱が斜めに写ってしまうことがあります。
例えば、室内を広く写そうとしてカメラを上向きにすると、壁の垂直ラインが中央に向かって傾くことがあります。
また、広角レンズで撮影する際には、カメラの向きやレンズの特性によって、空間が不自然に見える場合もあります。建築写真では、こうした傾きや歪みが、住宅全体の印象に影響します。
改善方法
撮影時には、カメラの水平・垂直をできるだけ正確に保つことが基本です。
私が講師を務める住宅建築写真撮影セミナーでも、実践撮影の様子を見ていると、無意識にカメラを下向きにして撮影される方が少なくありません。
カメラが下を向くと、壁や柱などの垂直ラインが傾いて写る原因となります。
そのため、撮影時にはカメラの向きを意識し、水平・垂直を確認しながら撮影することが大切です。
すでに撮影した写真についても、画像編集ソフトを利用すれば、建物の垂直ラインや水平ラインを調整できる場合があります。
ただし、傾きが大きい写真は、補正によって画面の端が切れてしまうこともあります。
そのため、建物の形状や構図を確認しながら、自然な状態に整えることが重要です。

上記玄関の補正。真っすぐにすると使える写真に変身
今ある施工写真を、もっと魅力的な写真に改善しませんか?
当社では、工務店様が撮影した既存の施工写真を、ホームページ掲載に適した状態へ補正する「写真改善プラン」をご用意しています。
写真の明るさや色味、傾きなどを改善し、施工事例として活用しやすい写真に仕上げます。
▶ 施工事例リニューアルサービスの詳細はこちら
③ 実際より部屋が狭く見える


完成した住宅を撮影したものの、写真を見ると「実際よりも部屋が狭く見える」と感じた経験はないでしょうか。これは、撮影位置やカメラの高さ、使用するレンズの画角などが影響している可能性があります。
例えば、部屋の中央から撮影すると、空間の奥行きや広がりが十分に表現できない場合があります。
また、家具や壁が画面の大部分を占める構図では、せっかくの開放的な空間が伝わりにくくなります。
改善方法
室内の広がりや奥行きを写真で表現するには、撮影位置や構図に加えて、広角レンズの使用が効果的です。
一眼レフカメラなどで24mmの広角レンズを使用していても、住宅の広さや間取りによっては、思い通りの範囲を撮影できない場合があります。
特に、一般的な住宅のLDKや限られたスペースから室内全体を撮影する場合には、16mm程度の超広角レンズが役立ちます。
ちなみに、レンズの焦点距離は、数値が小さいほど広い範囲を撮影できます。例えば、24mmより16mmの方が広い範囲を写すことができます。ただし、これはフルサイズカメラを基準とした数値です。
スマートフォンで撮影する場合も、通常の広角カメラだけでなく、「超広角カメラ」を搭載した機種を使用すると、撮影できる範囲が広がります。
特に、狭い室内や撮影位置を十分に確保できない場所では、超広角カメラが役立ちます。
ただし、広く写すことだけを優先すると、部屋の端が不自然に伸びたり、実際以上に広く見えたりする場合があります。
住宅写真では、単に広く写すのではなく、実際の空間の魅力が自然に伝わる構図で撮影することが大切です。
なお、撮影後の画像補正で傾きや一部の構図を調整することはできますが、もともと写っていない空間を正確に再現することはできません。
④ 実際の室内と写真の色が違う


住宅の施工写真では、床材や壁紙、建具などの色をできるだけ自然に表現することが重要です。しかし、室内照明と窓からの自然光が混在すると、写真の色味が不自然になることがあります。
例えば、外光の影響で部屋全体が青白くなったり、白い壁が黄色く写ったり、木材の色が赤っぽく見えたりするケースです。
特に自然素材を使用した住宅では、色味の違いによって素材本来の魅力が伝わりにくくなる場合があります。
改善方法
撮影時にはホワイトバランスを適切に設定することが基本です。
すでに撮影した写真でも、色温度や色かぶりを調整することで、自然な色味に近づけられる場合があります。
ただし、照明や自然光が複雑に混在している写真は、部分ごとの調整が必要になることもあります。
単に鮮やかさを強くするのではなく、住宅の素材感や実際の印象を大切にした補正が求められます。

⑤ 同じ室内なのに写真の撮影角度によって明るさや色味が違う


施工事例ではLDK等、複数の方向から撮影することがあります。
しかし、同じ室内を撮影しているにもかかわらず、写真によって明るさや色味が大きく異なる場合があります。例えば、窓に向かって撮影した写真と、窓を背にして撮影した写真では、光の入り方が異なります。
窓に向かって撮影すると逆光の影響で室内が暗く写りやすく、反対に窓を背にして撮影すると室内が明るく写る場合があります。
また、カメラのオートホワイトバランスの働きによって、同じ壁や床材でも、写真ごとにオレンジ色や黄色っぽく見えたり、青っぽく見えたりすることがあります。
こうした違いが大きいと、同じ室内なのに別の空間のような印象を与えてしまうことがあります。
改善方法
撮影時には、撮影方向による明るさの違いや、光源の影響を意識することが大切です。
一眼レフカメラでは撮影現場で調整することは可能です。
スマホの場合は正直難しいですね。ただ、今のスマホは優秀ですので、私の感覚ですが、割と見た目通りに撮影しているのも事実です。
またすでに撮影した写真でも、露出やホワイトバランス、色味などを調整することで、写真同士の違いを軽減できる場合があります。
ただし、すべての写真を同じ明るさや色味にすることが目的ではありません。
撮影方向による自然な光の違いは残しながら、同じ壁や床材などが不自然に違って見えないように整えることが重要です。


右の写真はオレンジ色の色被りをしていましたので、補正して左側の写真に合わせました。
施工事例写真は撮影後の補正でも改善できる
ここまで、施工事例写真の見栄えが悪くなる原因を紹介しました。
撮影方法を改善することはもちろん重要ですが、すでにホームページに掲載している写真についても、画像補正によって改善できる可能性があります。
例えば、室内が少し暗く写っている写真や、壁の垂直ラインが傾いている写真などは、撮影し直さなくても印象を整えられる場合があります。
暗い写真を自然な明るさに整える
上記でも補正した事例は紹介しましたが、室内が暗い写真は、明るさやコントラスト、シャドウなどを調整することで、見やすく改善できる場合があります。
ただし、単純に明るくすればよいわけではありません。過度に補正すると、窓の外が白くなったり、室内の質感が失われたりすることがあります。
住宅の雰囲気を保ちながら、自然な明るさに整えることが重要です。
傾いた壁や柱をまっすぐに整える
建築写真では、壁や柱、建具などのラインがまっすぐに見えることが、写真の安定感につながります。
画像編集ソフトによる遠近感の補正や水平・垂直の調整によって、建物の印象を改善できる場合があります。
ただし、補正による不自然な引き伸ばしや、重要な部分の欠けには注意が必要です。
上記で補正事例をご覧頂きましたが、この補正は非常に重要です。この補正をするだけで、写真によっては蘇り、使える写真になる可能性があります。
色味を調整して素材の魅力を伝える
木材やタイル、壁紙などの素材感は、住宅の特徴を伝える大切な要素です。写真全体の色味を整えたり、必要に応じて部分的な補正を行ったりすることで、素材の魅力を伝えやすくなります。
特に無垢材などを使用した住宅では、木材本来の色や質感を損なわないことが重要です。
写真補正で改善できること・できないこと
画像補正は、施工事例写真を改善する有効な方法ですが、どのような写真でもきれいに仕上げられるわけではありません。
補正によって改善が期待できる写真
- 室内がやや暗く写っている
- 壁や柱が少し傾いている
- 写真全体の色味が不自然
- 明るさやコントラストが適切でない
- 複数の写真に統一感がない
補正だけでは改善が難しい写真
- 大きく手ブレしている
- ピントが合っていない
- 極端な白飛びや黒つぶれがある
- 住宅の重要な部分が写っていない
- 構図そのものに大きな問題がある
例えば、撮影時にピントが合っていない写真は、後から補正しても本来の細部を完全に復元することはできません。また、撮影されていない空間を補うような加工は、実際の建物と異なる印象を与える可能性があります。
施工事例写真は、住宅の完成状態を伝える資料でもあります。
そのため、見栄えを優先して実際の建物と異なる状態に加工するのではなく、住宅の特徴を正確に伝えながら、写真の品質を改善することが重要です。
下記は画像処理修正ができない画像です。直したところで…ということですね。


当社では、工務店様・リフォーム会社様・不動産会社様などを対象に、各企業様のご要望や撮影環境に合わせたオリジナルの住宅建築写真撮影セミナーを開催しております。
座学だけでなく、実践撮影を取り入れたセミナーにも対応しておりますので、社員様の撮影技術向上をお考えの企業様は、ぜひ詳細をご覧ください。
▶ 住宅建築写真撮影セミナーのご案内(デジタル・アート・ワークスHPへ)
施工事例写真の改善が工務店の集客に重要な理由
工務店のホームページでは、施工事例が重要なコンテンツの一つです。
住宅会社を比較しているお客様にとって、過去にどのような住宅を建てているのかは、依頼先を検討する際の判断材料になります。
そのため、施工事例の写真は、単なる記録写真ではなく、住宅の魅力や工務店の技術力を伝える役割を持っています。
写真は施工事例の第一印象を左右する
施工事例ページを開いたとき、最初に目に入るのは大きく掲載された住宅写真ではないでしょうか。
開放的なリビングや、素材感のある内装、美しい外観など、写真から伝わる情報は少なくありません。
反対に、写真が暗かったり、建物が大きく傾いて見えたりすると、実際には魅力的な住宅であっても、その良さが十分に伝わらない可能性があります。
施工事例の写真を整えることは、住宅の魅力を正しく伝えるための基本といえます。
良い写真と文章を組み合わせることで施工事例の魅力が伝わる
施工事例では、写真だけですべての魅力を伝えられるわけではありません。
例えば、明るいLDKの写真があっても、なぜその間取りを採用したのか、どのような工夫で採光を確保したのかまでは伝わりません。
そこで重要になるのが、施工事例の文章です。
施主様の要望や設計上の工夫、施工時の課題と解決方法などを文章で補足することで、写真だけでは分からない工務店の強みを伝えられます。
写真で住宅の魅力を見せ、文章で家づくりの価値を伝える。
この両方を整えることが、施工事例の質を高めることにつながります。
過去の施工事例も営業資産として活用できる
工務店によっては、長年にわたり撮影してきた施工写真を多数保管している場合があります。
しかし、撮影した写真をそのまま掲載しているだけだったり、過去の施工事例が十分に活用されていなかったりすることもあるのではないでしょうか。
こうした既存の写真は、補正や記事の見直しによって、再びホームページで活用できる可能性があります。
新しい施工事例を増やすことも大切ですが、すでに保有している施工写真を見直すことも、ホームページ改善の一つの方法です。
既存の施工事例を改善する「施工事例リニューアルサービス」
当社では、工務店・住宅会社様を対象に、すでに撮影された施工写真や、ホームページに掲載されている施工事例を改善する「施工事例リニューアルサービス」をご用意しています。
新しく写真を撮り直すことだけでなく、今ある写真や記事を有効活用することを目的としたサービスです。
写真改善プラン|15枚まで16,500円(税込)
既存の施工写真を確認し、明るさや色味、建物の傾きなどを補正するプランです。
主な作業内容は次のとおりです。
- 写真の明るさ・コントラスト調整
- 色味・ホワイトバランスの調整
- 垂直・水平・軽度の歪み補正
- 写真全体の統一感の調整
電線や電柱の消去、写り込んだ不要物の除去、背景の変更など、写真の内容そのものを加工・変更する作業は含まれておりません。
15枚まで16,500円(税込)
過去に撮影した写真をそのまま使用している工務店様や、施工事例写真の見栄えを改善したい工務店様におすすめです。
※写真の状態によっては補正できない場合があります。大掛かりな画像加工や特殊な補正は別途お見積りとなります。
※本サービスは、暗さや色味、傾きなどに問題がある既存の施工写真を補正し、ホームページの施工事例として活用しやすい写真に改善するサービスです。
写真改善+記事リライトプラン|29,700円(税込)
施工写真の補正に加えて、既存の施工事例文章も見直すプランです。
写真を整えるだけでなく、住宅の特徴や工務店の強みが読者に伝わりやすい構成へ改善します。
主な作業内容は次のとおりです。
- 写真改善プランの内容
- 既存の施工事例文章のリライト
- 見出しや文章構成の見直し
- 住宅の特徴・訴求ポイントの整理
- 読みやすさと問い合わせ導線を意識した文章改善
29,700円(税込)
写真の印象だけでなく、施工事例ページそのものを見直したい工務店様におすすめです。
※新たな取材や追加資料の作成、ホームページへの入稿作業などは別途ご相談となります。
このような工務店様におすすめです
- 施工事例写真が暗く、住宅の魅力が伝わっていない
- 壁や柱の傾きが気になる写真がある
- 過去に撮影した施工写真を活用したい
- 施工事例ページの写真と文章を改善したい
- 新しく撮影する前に、今ある写真を見直したい
まずは現在お持ちの施工写真を確認し、改善できる範囲を検討することから始められます。
まとめ|施工事例写真は撮影後の改善でも魅力を高められる
工務店の施工事例写真が暗い、曲がっている、見栄えが悪いと感じる場合、その原因は撮影時の設定や構図、光の状態などにあることが少なくありません。
しかし、すでに撮影した写真でも、明るさや色味、垂直・水平などを補正することで、印象を改善できる場合があります。
また、写真だけでなく施工事例の文章も見直すことで、住宅の特徴や工務店の強みをより分かりやすく伝えられます。
新しい施工事例を増やすことも重要ですが、今ある写真や記事を見直すことも、ホームページの改善につながります。
過去に撮影した施工写真を、もう一度見直してみませんか?
当社では、工務店様向けに既存の施工写真を改善するサービスと、写真・文章をまとめて見直すサービスをご提供しています。
「この写真は補正できるだろうか?」「施工事例をもっと見栄えよくしたい」とお考えの工務店様は、お気軽にお問い合わせください。
施工事例リニューアルサービスのご相談・お問い合わせはこちら
今ある施工写真を、もっと魅力的な写真に改善しませんか?
当社では、工務店様が撮影した既存の施工写真を、ホームページ掲載に適した状態へ補正する「写真改善プラン」をご用意しています。
写真の明るさや色味、傾きなどを改善し、施工事例として活用しやすい写真に仕上げます。
▶ 施工事例リニューアルサービスの詳細はこちら

コメント